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言霊におびえて

vコーンって知ってますか?vコーン。

パイロットから出てるペンなんです。
昔から大好きなペンでね、いろんな数のペンを試したんだけどいまだにそれが好きで、今日仕事の合間に時間があったので、ホームセンターに寄ったら、¥78で売ってたのでこれは安いと2本買ったんです。そろそろ5月の新作でも考えるかなと言う意味もあったのですが、買った途端なんだか幸せな気分になりましてね。実は最近パソコンで台本を書いてる関係上あまりvコーンを買ってなかったんです、正直なとこ。
今回久しぶりに新作を書くのでね、ここはまず初心に返ってみようじゃない。あの頃のね熱いハートを思い出してね、やってみようじゃない。やればいいじゃない!なんて心の中で騒いでたんです。それでね、買ってみたら思いのほか心が幸せな気分になってね、いい本かけそうじゃない、かけるじゃない、書けばいいじゃなーイ!なんて気持ちになったんですよ。ここはついでにノートも買おうと、これまたお気に入りのプレーンのタイプを探したら、ないんですよ、プレーンが。プレーンって無地の奴。何も書いてない、くだらない横線の入ってない奴。あの横線が気に入らない。邪魔でしょうがないので、プレーンのリングタイプの奴を探したんだけどないんだこれが。いろんなノートを試して、無印のプレーンタイプに一応落ち着いたんだけど、最近コンビニでも見かける無印文具の中にもないのよプレーンが!
プレーン!
学校のノートはなに、必ず横線はいったのを使わなければいけないんだっけ?
よくわからんが、マアしょうがないか、後で買いにいこうと幸せ半分で店を出た。

・・・まさかこうなるとはそのとき夢にも思わなかった。

横溝正史みたいだけど、ないんだ!買ったばかりのその大好きなvコーンが2本ともない!

・・・すてたんだ。レジ袋の中に入れたほかのゴミと一緒に。そういえば会社のゴミ箱の燃えるゴミに捨てた時、カチって音がした。何でかな?と、気にとめたのだけど・・・

あんなに幸せな気分にさせてくれたものを僕は捨ててしまった!
なんと言う罪深い男なんだろう。
捨てたと気付いた瞬間、いい台本がかけないかもしれないと言う嫌な予感が駆け巡った。
そんなこと思うな、思うだけでダメだ。言霊は言葉にしなくったって、おこってしまうものなのだ。

ああ、しかし彼らは最後にカチっと鳴ってみせて存在を示したのに。燃えないゴミはカチって言わないだろバカ俺。

頭がいたい。

失くした2/2

彼らの為に必ずいい台本にしてみせる。

今日はもう寝るけど

# by biritake | 2006-07-22 01:05  

雨の底

雨の日が好きと言う人は心の奥底に激しい情熱をもつ人だ。

ある有名な劇作家の言葉

雨の日にはつくづく自分が晴れの日の準備しか出来てない事に気付く。
ズボンはいいように濡れ、ほとんど傘なんか意味がない。さしかたが悪いのだろう。
晴れの日の格好しかないから雨が嫌なのかもしれない。

一年中雨だったらどんな格好するんだろう。

全身雨合羽を着ても、朝のラッシュ時にいちいち脱いでなんかいられない。周りの人にも迷惑だしイヌのようにブルブルするわけにもいかない。やっぱ傘しかないか。でも傘は持ってるのがわずらわしい。すぐ無くすし。
頭にかぶればいいんだ。菅笠みたいなの。ワンタッチで開けばね。
でも電車の中でかぶりっぱなしは恥ずかしい。

傘がっぱってのがあればいいかな。

ばって開くとかっぱになって、閉じれるの。でも着るんだから一緒か。

頭の上で紐をものすごいスピードでまわしたら濡れないんじゃないかな。ヘリコプターみたいに回すの。手でまわすの大変だから、電動にするの。タケコプターの大きいやつを頭につける。

あ、タケコプターで思い出した。昔高円寺に住んでた時、スーツにタケコプターつきの帽子をかぶってたおじさんがいた。道を歩くと風で回るんだよねタケコプター。忙しいんだろうななんて思った。

あれ?今雨やんでる。

でも明日も雨だ。また雨。

でもね、皆雨なんだよな

# by biritake | 2006-07-19 23:54  

籠の中

乗ってきました、シンドラーエレベーター。
回数ボタンを押して、閉めるボタンを押してふっと見上げるとそこにはシンドラーと書かれてあった。どうしようと思ったけどとき既に遅し。
ガチャン!と心なしか普通のより大きな音で扉が閉まった気がする。気のせいだと思うけど。
心なしかつくりが薄っぺらい感じがする。気のせいだと思うけど。
結構ゆれてる気がするし。まあ古いからしょうがない。

そういえばエレベーターで中見て立つ人がいるんだけどアレ法律で取り締まらないかな。
こっちはドアに向って立ってるんだから、なんだかじっと見られてる気がして落ち着かない。
何でなのかな?今度勇気をもってその人のほう向いて立ってやるかな。わからせてやんなきゃ。あ、違うその人の奥に立って、横から見てやんなきゃいけないんだ。今度なんだか理由つけてやってやろ。
立ち位置のおかしい人って結構いるよな。

電車でもねわざわざこっち見て立つ人いるでしょ。顔あげたら真正面から向かい合っちゃうようなね。何かあげられないじゃない顔。何でこの人はこっち向いてるんだとか、何で俺が気を使ってそむけなきゃいけないんだって考えてたらなんだか頭にきて、真正面からそいつの事を見てやった。どうだ、恥ずかしいだろと思い知らせてやろうと思ったけど、こっちが耐えられなくなって、また背けてしまった。
第三者的にその立ち位置を考えたら耐えられないでしょ。
すんごい近くでしゃべる人とかね、距離感無視。キスの距離だよそれは、っていう距離で話す人いるね。
後、こう並んで歩いてて、なんだか夢中になってしゃべってきてて、なんだかその人周りが見えてなくて、こう、こっちは向こうから人がくるからよけなきゃいけないのに、なんだかぐいぐい寄ってきて、ぶつかりそうになるから変な感じでよけてるから気付いてくれるかなと思ったら全然気付いてくれてなくて、夢中になってしゃべってるんだけどその話も全然面白くなくて長いから、なんだか頭にきて、ちょっと極端なほどブレーキかけて距離を置いたらなんだか途端にしゃべらなくなるような人っていませんか?
勝手すぎる!

あとよそ見をしながら平気で歩いてくる大人がきらいです。

そういう人の頭はたたいても正当防衛にして下さい。総理

# by biritake | 2006-07-12 00:36  

舞台裏の裏の表の裏

城西大学付属城西学園の皆さんはとってもいい子達が多かった。
すれ違うたびに
「こんにちはー。」
と挨拶をしてくる。
昔仕事で行った田舎町を思い出す。外の仕事をしていたんだけど、その町はすれ違う子供たちが皆元気に挨拶をしてくる。みたことのない私にも元気に挨拶してくる。
少々面食らいながらも、悪い気はしなかった。
なぜか負けないように、人一倍大きな声で挨拶をした。

「こんにちは。」
演出家である立場上、城西学園の子達にする挨拶はちょっと威厳の1つでも込めてやろうとしている自分が大っきらいだった。
若さゆえのまばゆさに対しては、構えてしまう。汚れた月日を過ごしたつけだろう。

あの暑さの中吹奏楽部の学生さん達は2時間も狭い空間に押し込められっぱなしだった。
スタッフも何とか涼を取っていただこうと最善を尽くすが3人ほど暑さからか倒れてしまった。
「全く、だらしねぇ。」
吹奏楽部の顧問の先生はつぶやいていた。
非常に厳しい先生で、学生達に容赦がなかった。普段は、三谷幸喜さん似のまろやかな方なのだが、音楽に対して非常に厳しい先生だった。

昔仕事で行った学校のプールの時間をぼんやり見ていたときに、先生が子供たちに敬語を使っているのを見て、何たることかと頭を抱えていたのだけど、この三谷幸喜さんは、子供たちを愛しつつ厳しく指導している。素晴らしい。そうなのだ。学校と言うのは自由と規律が激しく同居しているところなのだ。私が子供の頃、学校は楽しくもあり、恐ろしい場所でもあった。この先生の厳しい修行の元一心不乱に演奏している姿を裏で見ていたのだが、心を打たれる姿だった。
素晴らしい演奏ですねと聞いたところ。
「いやー、全然。スミマセン、本当にへたくそで。」
「やはり厳しく指導なさってるのですか?」
「ええ、死ね以外の罵詈雑言は全部浴びせ掛けました。」
素晴らしい。
集団でやる芸術とは、厳しさが絶対に必要なのだ。芝居も同じ厳しい規律がなければ散漫なものになってしまう。ましてや楽器は技術が要求される。甘えは絶対にゆるされないのだ。

「この芝居は御覧にならないんですか?」
「ええ、芝居を観てしまうと、情が移って音がぶれてしまうんです。あくまでも機械のように正確に吹くと言うのがまず大事なので、なるべく裏でも芝居の声は聞かないようにしてます。」

素晴らしい。ぜひ見習いたいと思いました。

# by biritake | 2006-07-07 23:11  

舞台裏の裏

ちょっと時間がたっちゃったけど、池袋モンパルナスの舞台裏をちょっと覗き見チェック!
この企画、実は半年ぐらい前から進んでいたんだけど、そのときに、ぜひ学校の校長先生と教頭先生にも出ていただこうと言う事になった。しかし本編の内容の中でお二人の出てくる役がないため急遽書き足す事になった。お二人に出ていただけるか交渉したところ、
「ああ、いいですよ。」
と実に軽い返事。のりがいいのである。
校長先生、教頭先生にも出ていただいてはどうかな企画が決まったとき、私の頭の中ではお二人が自転車で二人乗りで出てくると言う珍しくはっきりとしたビジョンが浮かんでいたので、
「あのースミマセン、自転車で二人乗りで出ていただきたいんですけど、どうでしょ。」
とお願いしたところ。
「いいですよ。」
とまたまたのりのいい返事。
調子に乗った私達は
「・・・あのー教頭先生にはですね、そのー・・・ランニング姿で出ていただきたいんですけど。」
とお願いした。
さすがにこれには教頭先生はしばらく絶句し
「・・・ランニングですか・・・・。」
「いや、もう、あの・・・。」
「いいですよ!」
いい!ノリがいい!
こうなってはつまらない台本は書けない。30秒という私の台本史上最短の台本を書き、お二人に送った。
劇団員からは、ちょっとこれは難しくないですか?とか色々言われたが、ダメならダメでという気持ちだった。
本番2週間前。
お二人を交えての合同練習。校長先生はいつもニコニコしているが、さすが学校を背負うだけの威厳を漂わせ、憶えてきて下さいといった台本を、1行も憶えてこなかった。さすがだ。
そのことに怒る教頭先生が何とも可愛い。
読みあわせをすると、少し芝居心を出す教頭先生と、全く台詞を覚えずニコニコしている校長先生の取り合わせが実に気持ちよく、思わず。
「最高です。」
と言ってしまった。
一番の懸念は自転車の二人乗り。大丈夫ですか?と聞くと
「道交法違反だね・・・ははは。」
とかえされる。
客席に突っ込んだらどうしようと思う私の不安をよそに
「大丈夫でしょう・・・ははは。」
と何とも軽い。
ダメだったら押して出て行ってもいいですよと言うと。
どうも校長先生はその絵図らに笑いのにおいを感じてるのか。
「大丈夫、大丈夫。」
と有無も言わさない。
教頭先生も。
「ここでね、笑いがね、ドッとね。」
などとかなりノリ気なのである。

あああ、大丈夫かな。不安の本番。
後ろで見ていた私は親のような気持ちになってしまった。
しかし私の不安はすぐに消え去った。緊張の中で自転車に乗る難しさなどなんのその、きれいに何の不安もなくこなしてくれた。さすがは普段から人前に出てるプロなんだと改めて感心した。
芝居が終わり舞台袖でお二人と堅い握手を交わした。校長先生の目が暗がりの中できらきら輝いていたのがとても印象的だった。
学芸会以来のお芝居ですよと言っていたお二人も芝居の魔力に取り付かれてしまったのかもしれない。

# by biritake | 2006-07-06 22:26