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痛みメーター

むかしうちでやった芝居に、IM2000と言う機械が出てきた。
これは人の痛みを測る機械。
例えば腰痛なんてやったことのある人しか分からない痛みで、この今の腰痛箇所にこの機械を当てると、ちょうど、普通に歩きながら机の角で小指をぶつけた時の痛みに相当すると言うような、誰でもわかる痛みに置き換えると言うもの。
私は非常に気に入っていた芝居なんだけど、その芝居の動員数は3日間、5ステージで160人と惨憺たるものだった。ある回なんか16人しかいなかったからね。
ある意味思い出深い芝居でした。
「死んで花実が咲いた頃」というタイトル。

救急車に担ぎこまれたとき、その話を思い出した。
あまりに痛がる私に救急隊員は、
「出産はもっと痛いんだからね。」
と訳のわからん励ましの言葉をかけてきた。
自然私の呼吸もヒッヒッフーとなっていた。これをするとちょっと楽になる。
ある人の話だと、出産のあまりの痛さに「産むの止めます。」と言った人もいたらしい。
でも改めて女性はすごいなと思う。

真夜中の病院に着いて、診察を待っていたとき、すごい痛みと、救急車を呼んでしまったという興奮から喋り続けていた私に救急隊員が近づいてきてそっと囁いた。

「今、あなたの後ろで人が亡くなったから。静かにして。」

背筋が伸びた。

とても自分が小さい人間に思えてきた。

痛いだけまだましだ。騒ぐなバカたれ。そう心でいい続けた。

これからの自分行く末を少しだけ悲観したが、車椅子の乗り心地のよさに少し機嫌が治る。
子供か!俺は。

いろんなところでいろんな人がいろんな思いで生きている。

当たり前だけど、もうちょっとちゃんと考えよう。
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by biritake | 2007-04-24 21:55  

へへへ、体は正直じゃな。

取れました、長靴。足の先だけのギブスになりました。
足首が動くと言う事がこれほどまでに素晴らしい事だとは思いもしなかった。ああ、世界は美しい。
こんな時なんだろうな、ミュージカルが出来上がるのは。
とれたーとれた~足首~・・・ラララとれた~自由さ~それは自由~(クネクネ、クネクネ)

もうね、空を飛べそう。これが全部取れたときはどうなるんだろう?
ずーっとスキップしてるんじゃないかな俺。
街角で、満面の笑みでスキップ踏んでる男見かけたら、
「自由って最高だろ!」と声かけてください。
「もちろんさ!」と答えながら高らかにくるくる舞って、階段からダーン!ッて落っこちて、また足ボキって・・・。

もう絶対にヤダ。バカ、冗談じゃない。
でも少し自由になっただけで調子に乗って、ちょっと階段から落ちそうになった。マジで。
すぐに調子に乗るんだ俺は。また悪い事にそのことがいけないことだと思ってないんだ。
だからいつかまたやるかもしれない。

ギブスを取った後の足は怖いぐらい細くなっていた。足首を動かすと、ゲームに夢中になっていて、久しぶりに伸びをする時のような痛気持ちい感じになっていた。
今まではつま先はちょっとついて歩いたりしていたのだが、今度はかかとしかついてはいけないらしい。浮かれた休めの姿勢のようになっている。

「あまり骨が出来てないな・・・。」
暗い顔で医者がつぶやいた。慌てて牛乳を買った。
しいたけがいいと知り合いに言われた。もちろん小魚も。
骨を作る。骨。

「誰か骨を下さい!」

町で叫んでやろうかな。

台本はあと少し。
今までにないとっても不思議なお話になりそう。

楽しみにしてて下さいね。
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by biritake | 2007-04-23 22:34  

経過報告~ギブス漫遊記

ずいぶん経ちました。今日で17日目。
骨は徐々についてきてるみたい。
ようがんばっとる、マイボーン。
足が細くなってきたから、クリスマスのお菓子が入ってる靴みたいなギブスががばがばになってきた。
朝起きるたびに、何はいてんねんって思う。

弱くなると人の優しさが見にしみる。
この前初めて電車で席を譲ってもらった。
30代ぐらいの男性だ。
なんかやっぱりありがたいもんだ。
治ったら積極的に譲っていこうと思う。
降りると時にありがとう言おうと思い、となりの列に座ったその人を見たら、思いっきりエロ本読んでたので言うのをやめた。

松葉杖には慣れてきたけど、手に豆が出来た。どちらかと言うとそっちが痛い。グローブみたいな手に憧れているので、まあ、いいんだけど、歩いているとそっちが疲れる。

稽古場でもみんな優しい。演出ですぐに立てないのは辛いけど、立とうとするとみんな気を使う。
けれどそんなこんなもストレスになってしまうのだから、人間てのは大変だ。
だから酒も飲む。冗談じゃない飲んでやる。ていうか呑んでる。
傷が泣きやがるが、掘りごたつの店でも飲んでやった。
ちょっと、ギブスのことを忘れられる。
せっかくだから、そんなときはカルシウムを取る。
とにかく早くこの靴を脱いで、世界中の弱い人を助けてあげたい。
今はそう思う。
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by biritake | 2007-04-18 00:54  

生命の神秘

骨は結局、ねじれるようにして折れていたらしく、全治6~8週間と診断された。
珍しい折れ方だねーと言われ、変な自尊心がくすぐられた。
初めての骨折なので、何も薬をもらわない事に少々不安を感じながら、スキー靴のようなギブスを引きずり家へ帰ることに。
骨は常に再生を繰り返している為に、自然にくっつくらしい。なんともけなげな奴だ。
親として、この体を支配するボスとしてするべきことは、小魚を食うこと。
喰えば部下が喜ぶらしい。食おうじゃないの。
酒を飲んだのも自分なら、掘りごたつにおちたのも自分。そして治すのも自分。当たり前だけど、物語にするとなんか不思議だ。
この体は全て意思と言う強い動力によって動いている。
艦長である僕は、骨がどうやって治っていくのかその過程は知らない。だが、彼らはやってくれると信じている。
心臓が動くのも、呼吸をするのも、全て意思の力。
そう考えると人ってのは改めてすごいと感じる。
町で家もなく寝ている人だって、そのダイナミックな作業は体に起こっている。
当たり前だが生きてるってのはすごい事だ。奇跡みたいなものだ。こんな精密な体に産んでくれた母に感謝。
1つ言うとすれば、もうちょっと賢い頭が欲しかった。
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by biritake | 2007-04-06 01:35  

恐るべき出来事

昨日、飲み屋で、劇団員たちと酒を飲んでいて、気持ちよく帰ろうとしたとき、掘りごたつに落っこちて、足を骨折してしまいました。
おちたすぐは、たいしたことないと思っていたのですが、あまりの痛さに意識が飛びそうになり、どうしても歩けず、産まれて初めて救急車に乗りました。
倒れていた時、救急車を呼んだと言う事を小耳にはさんだ時は、どんなことしても、トイレにだけは行かねばならん。どげんかせんならんと思い、そばにいたジェット朗に「・・・トイレに行かせてくれ。」と囁くと小さな体で僕を支え、「自分向こう向いてますから。」と僕のしている最中も目をそむけていてくれた。頼もしい奴だ。一度帰りかけてた劇団員も、みんな戻ってきて、救急車に担ぎこまれる僕を見送り、帰れなくなった彼らは、朝までどこかで過ごしていたとの事。
本当に素晴らしいやつらだ。帰る前はけんかみたいになってたのに。

激しく病院で待たされ、1時頃かつぎ込まれたのだが、終わったのは朝の5時。変な酔い覚めと、痛みと、吐き気で、今まで味わった中でも最高の疲れのまま、家路についた。
夜中に坂内や聖子が事情を、今回出演してくれるみんなや、先に帰っていた劇団員に説明していた為、朝方、みんなから心配の連絡をもらった。
初めての骨折で舞い上がり取り乱した夜だったが、こんなダサい僕にも仲間が居る温かみを知った夜だった。

病院での出来事はのちほど。
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by biritake | 2007-04-01 23:40