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さまようクラゲ化計画

昨日ラスト刑事の精算会が行われた。精算会とはまあ清算会と書いてもいいのだけれどお芝居のときに借りたものやお金のことやラスト刑事でやり残したことを全てまあ精算するという会なのですが、まあこれは名目上であって基本的には皆で飲もうじゃないか寂しいじゃないかという飲み会なのです。しこたま飲みました。私は最初から最後までビールなのだけれど今回は焼酎にチャレンジ。坂内は私が焼酎を飲むのを嫌うのだがおかまいなしに飲んでいたらやはり彼女の嫌いな私に変身しつつあるらしい、次に行ったカラオケではしゃぎすぎて訳のわからなくなった子供のようにはしゃぎまくった。まくってやった。当然次の日は朝からボロボロだ。子供の頃酔っ払って帰ってくる父親が嫌いだったのだが、いつの間にか自分もあの時の親父の臭いを発している事に布団の上で激しく気づいた。帰れなくなったジャムジャム最年長にして、最年少のギャグを発する里タクヤが同じ顔をして布団の上で途方にくれていた。
彼はラスト刑事では実にシブイ2枚目を演じていたのだが、普段は本当にふるさとを愛する人間くさい無計画クラゲ男なのだ。その辺りが私と似ていてウマが合うのだが。よって帰ったにもかかわらず何の飲み物も買って帰らないぐらい激しい無計画ぶりを発揮しているのだが決して後悔はしない。そこがいいとこ。偶然家にあった唯一の飲み物「眠眠打破」という眠気覚ましの栄養ドリンクをのどが渇いているとの理由で飲んでしまう無計画ぶりはさすがだ。とりあえずおなかがすいたから御飯でも食べてから帰るという彼とともに、おきぬけのボロボロの格好で外に出る。近所の商店街に向かい、餃子が食べたい里タクヤの為に何軒も店を見て回ったが決まらない。さすがクラゲのような意志を持つ私たちである。ええいもうここだと飛び込んだ中華料理屋でいち早く里タクヤが頼んだものは「ビール」さすがである。何となくぐずぐずメシを平らげてる途中で彼が映画がみたいと言い出した。「いかない?」にごった目で私に訴えかける。携帯も持たずすぐすぐ帰るつもりだったが「いいよ」思わず口にでた。何処でやってるかも何時からやってるかも調べる事無く、ずるずると新宿へ。電話をかけながら改札の前で切符を探しながら不似合いな赤いかさをばらばらと倒し、周りに迷惑をかけながらも、先に出た私に笑いかけている彼はまさしくさまよえるクラゲである。
チケットショップに行くと渋谷でやるのが時間的に合うと言う事でそのまま渋谷に。しかしまたまたどの映画館かチェックしていない徹底振り。なんか公園とうりって書いてあったよ、ぐらいの把握で込み合う渋谷をさまよい歩く、くらげ。お目当ての映画は「笑いの大学。」なかったらしょうがないねといいながら歩いていると。ポスターが見えた。まるで向こうから映画館がやってきたようだ。「あった、あった。」ふらふらと流れに身を任せフラフラと席につく。なんだこの心地よさは。暗くなり映画が始まった。映画はさすが役所広司、さすが三谷幸喜という映画。映画館がすっきりとした統一感のある笑いに包まれた。クラゲたちもフラフラ笑いほろほろ泣いた。映画館を出る頃にはさらにでろでろになった渋谷を着飾った若者達の間をすり抜けてよろよろ駅に向かった。それはまるで色とりどりの美しいさんご礁の中を不本意なほど遠くまで流されてきてしまったクラゲのようだ。「じゃあね。」と別れ、雑踏に消える里タクヤは違う流れに乗ってさまよいいく。なんだか楽しかったのかな?楽しかった気がするな。中途半端な感想を抱きつつフラフラ駅に向かった。さまようクラゲ化計画はその無計画ぶりにより実現しないだろう。
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by biritake | 2004-10-31 23:07  

ラスト刑事・・・1つのたたかい

ラスト刑事ご来場いただきました皆様、この場を借りて深く深くお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました。
また、こんないい加減な私に本当に懸命に真摯に作品作りに取り組んでくれた役者並びにスタッフの方々に深くお礼を申し上げます。
本当にどうもありがとうございました。
ラスト刑事が無事に終わる事が出来たのも皆さんのお力添えがあったからだと心から感謝いたしております。いい物を作ろうとする情熱の固まりとなり、今回のテーマであった臭さというものを全員で実現できたとても意義のある素晴らしい公演になったと心から感動しています。
思えばラスト刑事は前回作リメンバーミー?で企画、上演された次回予告公演の為に考え出したいわば行き当たりばったりのものでした。リメンバーミー?の稽古の休憩時間に何となく話していたタイトルがそのまま使われる事となりました。さらに、内容もまだ固まってもいないのに予告を打つという恐ろしい行為に、後先も考えず夢中になり、笑って作ったはいいものの、さぁー本腰を入れて取り組むぞとなったときに、大変な予告を作ってしまったと愕然となり酒におぼれる日々を越え、どうせ予告どおりにはやらないんだろという一部の賢明なお客様の、どうせという声が頭から離れずにまた酒に手を伸ばし、それでも何とかこぎつけた作品となりました。ただ、言い訳ではないのですが、その時に思いついたのが臭いというテーマでした。稽古初日から役者達には言いました、臭く、もっとべたに。何度もいい続けました。
私は芝居はごっこだと考えます。子供のときにやりました、お医者さんごっこや、料理ごっこ。友達の女の子は私のお母さんになりました。私はそのこのダンナにもなりました。夜御飯はいつも泥でねったハンバーグでした。私はそれを美味しそうに食べるフリをします。泥ハンバーグに木の枝のナイフとフォークを突き刺し、いつも食べてる母の美味しいハンバーグを想像しながら食べていました。夕暮れになり家に帰ると大嫌いな煮物の匂いがすると本気でがっかりしたものです。母さんごめんね、今は大好きですよ煮物。そんなこんなをいい大人がやってるわけです。酒と称して水を飲み見事に酔っ払ってみせる。ガラスの仮面でもありました泥団子を美味しそうに食べるってシーンが。初めてそれを観た時にそんなことしなくてもと笑いました。今でも基本的には変わらないのですが、そういう魂が大事なのだと思います。子供の頃は何の抵抗もなくお互いの役回りの中でちゃんとバランスをとってごっこに夢中になりました。しかし大人になりごっこの形は変わりました。ごっこがフリに変わったのです。好きな男の前で酔ったフリ。誰でも経験ありますなわな。仕事してないと思われたくないが為に、一生懸命働いてるフリをする。誰でもありますよ。ブッチャけた話。
大人になるとごっこは自分の心の中を見透かされない為のフリとなる。
役者は日々このフリと戦います。緊張してないフリ、役にのめりこんでるふり。だけどこれだけではいけないんです。酔ったフリをしたときを思い出してください。どこか堅くなってる自分に気づくでしょう。働いてるフリをしている人をよく見てください。顔が固くなっています。皆そうなんです。それだけでは役者はだめなんです。見ている人にフリだなと思われていてはいけないんです。そこでそこに気持ちを入れ込みます。酔ったときの純粋な気持ち、働いてる時の純粋な気持ち。それを入れ込みます。そうすると臭くなります。しかしその時に注意しなければならないのは、分量を間違えると気持ちって奴はすぐに異臭を放つという事です。やりすぎって奴ですな。これが一番大変です。この部分の勉強が役者にとって最も大変な部分なんです。そこでさらにもう一度フリに帰ってくる。こうすれば1つのシーンの完成です。この段階まで役者は台本と格闘しながら作り上げていく。もちろんその中には様々な葛藤と努力、妥協が必要です。しかし一般の人にとってにおいを放つ事はとても大変な事なのです。今回ジャムはこの臭いにこだわりました。そのシーンに込められた臭い。まだまだ分量のわからない役者もたくさんいます。しかし彼らはみな自分自身との戦いの中で、臭いを出す事に成功しました。あとはどうやって効果的な臭いにするか。まだまだ課題山積みです。もちろん私を含めです。今はゆっくりと一つ一つラスト刑事を思い出し、明日につなぎます。いつか皆さんの心の中にジャムジャムという決して溶けない真っ白な雪が積もりますように。臭いなー!これ。
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by biritake | 2004-10-21 00:01  

暑さ寒さも楽日まで

芝居で最後の公演日を楽日というんですな。楽しい日。それもこれも何処まで自分達のやってきたことがお客さんに伝わったかという事なんだろうけど。果たしてラスト刑事、私たちにとって文字道理楽日になったのかどうか。詳しくは明日書きます。ラスト刑事のお酒がまだ少し僕を包んでいるから。おやすみなさーい
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by biritake | 2004-10-19 00:19  

打ち上げ

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芝居はなんだかんだと打ち上げます。これは初日打ち上げでございます。楽しさ満載ですね。日曜日まだ少し席あります。是非皆さんみに来てください。楽しいな-!今日もまたのめる
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by biritake | 2004-10-16 10:38  

たどり着いたら・・・

しらけ鳥は志村さんではなく、小松政夫さんでした。志村さんはカラスの勝手でしょですね。
すみません。記憶というのはかなりあいまいなもので、しらけ鳥を歌う志村さんの姿が私の記憶の中にはくっきりと残っているのですが、とんだ間違いでした。
不快な思いをされた方がいらっしゃいましたらお詫び申し上げます。
そもそも私は記憶力が乏しいのです、。普段の生活もだらしなく、皆からはパナーシーと呼ばれています。パナーシーとはやりっぱなしのパナーシー。孤独なフランスの少年です。彼の周りは常に散らかっております。彼女の名前はカターシー。綺麗好きな女の子。
昨日無事に初日の幕が上がりました。ご来場くださった皆様誠にありがとうございました。
多大な緊張と不安に包まれた、今までに体験した事のないような公演でした。
打ち上げの席では、何かから開放されたような安堵感と喜びにみちていました。
それは私の記憶力の乏しさにあります。かれこれジャムで台本を13本ぐらい書いているんですが、いつも前の作品を忘れていきます。もちろん全作品が好きなのですが、その記憶が強いと次の作品を書くモチベーションにつながらなくなってしまいます。だから前の作品とは違うものと考えて、日々苦しんで書いているので、それは演じる役者もついてくるのに必死です。
前の記憶が役者にはありますから。
お客様と空間を共有できた喜びを持つことが出来ました。残りも新たな課題を見つけるために頑張ります。よどんだぬるい水を最も嫌うジャムでした。
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by biritake | 2004-10-15 11:38  

本気になれば泣けるんです

しらけ鳥世代なんです。ドリフで志村がしらけ鳥をやっていたとき、学校で大流行しました。
シーンという言葉が流行りだしたのもその頃でした。惨めだったりしらけたり。今思えば後ろ向きな世の中にいたものです。高度成長で走り続けた人たちはが、しらけ鳥で立ち止まり、もっと楽な方法はないかとバブルを見つけ、はじけたとたん現実におびえ出した。そんな感じですか。そんなしらけだったり、人の足を引っ張ったり、出る杭を打ったりなんざは、この国の十八番です。理想を掲げてもしょうがないそうなんだから。その中でどれだけ本気になれるか。今回は役者達の心のそこに眠っている、本気で取り組むハートを呼び起こす為に時間をかけました。足を引っ張られる事も、打たれることも怖くてしょうがありません。誰でもそうです。仕方ないんですそういう遺伝子が我々の中にあるのだから。でも勇気をもって出る杭になったとき、地中から頭を出した時何が見えるのか、希望なのか絶望なのか、それはわかりません。頭を出したとたん、巨大な鷹にわしづかみにされ(鷹にわしづかみというのだろうか?)地上高く連れ去られたと思ったらおもむろに叩き落されるかもしれません。それはわかりません。だから僕達は情報を交し合います。外はどうやらいい世界らしいぞ。いいや俺が聞いたことによると出て行った奴らは皆死んだらしい。本当かどうなのか、よしスコープを出してみよう。見える見える、よくわからんがどうも普通らしい。出てみるか?辞めとけ、鷹に摘み上げられるのが落ちだ。きっとろくな事がない。しかし知りたいどうなっているのか。スコープで見える現実で充分だろ、わざわざ出る事はない。もっとたかくまで伸びるスコープを作ろうそうしよう。なるほどね、フムフム。鷹がいる。やっぱり。だから辞めたほうがいいんだ。歩いていく奴もいる、鷹に連れてかれたぞホラな、やっぱり。あ、鷹を叩き落した奴がいる。鷹に勝ちやがった。あいつは運が良かっただけさ、きっといつかやられる、まあ見ててみろ。やられるがいい。
これからのジャムジャムは地中を出て、未開の地を歩く為に日々苦しい練習を積み上げていきます。もうひねた笑顔は見せません。真っ二つに折ったスコープを天高く放り投げ、おびえた目をこすりながら、這い進みます。そうすれば本気で泣ける日が来るはずだから。
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by biritake | 2004-10-13 00:43  

狂おしい日々

稽古終わりの酒宴の席に激しい笑顔がこぼれ出しました。こうなったら大丈夫。
この雰囲気はいつものジャムだ。
お互いの芝居を認め合いつつある笑顔。ベイサイドは言いました「また1つ芝居が好きになりました。」遠い目をしながらカシスオレンジを一気に飲み干し、カシスのような赤い顔をしています。
最終稽古は僕達が昔からよく使っている聖地です。
携帯が壊れ、カエルが死に、目の前にカナブンが落ちてきて、台風が直撃した稽古でした。
行ってきます。更なる飛躍を目指して。
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by biritake | 2004-10-11 11:50  

携帯襲名披露

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携帯電話を買いました。3代目小竹はんです。これは2代目小竹はん。初代こたけはんはIDOデジタルの頃のものでした。7年間で3台目。携帯会社からいい加減買い換えてくれといわれてやってきたのが2代目小竹はんでした。カシオ製のC452CAです。只でうちにやってきました。G-SHOCKのようなので、いつも落としても壊れないのかとか水に入れても大丈夫なのかと聞かれました。そのたびに大丈夫だけど、決してむやみに叩きつけたり水に浸けたりしないで下さいと言われた事を思い出します。30ヶ月こいつとは付き合いました。そろそろ携帯を買い換えようかなという話をしていた時にはじめて行方をくらましました。あわてて探し回ると、そんな事を話していたファミリーレストランの椅子の真下にすねたように転がってました。ちょうど2番目の写真のように。そこからしばらく手放せなくなってしまいました。数枚のシールが貼られ、ストラップは2回変わりました。5円玉は前回の芝居で出た大入り袋の5円玉です。先日突然壊れました。何千回落としても平気だった屈強な2代目小竹はんもよる年波には勝てず、息絶えました。3代目は若さたっぷりのめがね君です。カメラ付きの携帯を買ったら2代目の事をとってやろうと決めていました。全機能つきの最新型携帯3代目こたけはんは新しいもの嫌いの私の手におえるのか。うまくやっていけるか心配です。先日早速車の中で行方をくらませました。先が思いやられるな。
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by biritake | 2004-10-09 10:28  

小さな物語

会社に向かう道すがら、カエルが1匹死んでいた。
雨にぬれた黒い路面の上で白いおなかを上に向けてひっくり返っていた。傷1つない白いおなかに、久しぶりの朝日があたってきらきら輝いていた。満員電車の中でもその白いおなかが頭から離れなかった。ふと疑問が浮かんだ。
「何であいつは死んだのか。」
ほとんど外傷もない姿だった。もし車に引かれたらぺしゃんこになってるはずだ。
自然死?しかしあいつはカエルだぞ、死ぬ間際に時代劇の切られ役のようにわざわざ仰向けになって死ぬのか?「無念・・・。」とか言いながら。それもいいな。それでいこう。あ、でも切られたのなら刀傷がなくてはならない。違うな。結局答えの出ないまま会社の現実に向かう。

最近西新宿の高層ビル群に通ってる。50階を優にオーバーするマンモスビルの立ち並ぶ西新宿。わずか数秒で地上50階まで昇る高速エレベーター。乗っていると心なしか徐々に息苦しくなってくる。2.30人乗れるであろうドデカエレベーターもある。外が見えるためそのスピードが手にとるようにわかる。一トン以上あるだろうそのエレベーターを音も、衝撃もなく緩やかに昇り降りしている。一日に何十回も。何百回も。
カエルが浮かんだ。
奴はこの高層ビルに登ろうとした。激しい雨降る東京の夜、気の遠くなるように高い高層ビルを見ながら奴はつぶやいたんだ。
「ケロ。」
そして挑むような目を上に向け、ビルの壁に手をかけた。理由なんかなかったんだ。ただ頭に来た。それだけだ。雨も奴の闘志に火をつけた。一歩一歩のぼる奴の目に顔ぐらいの大きさの雨粒が襲う。首と手に力をこめる。挫けそうになる自分を鼓舞する為に奴は叫んだ。
「ケロ」
無心だ、心は真っ白になる。横殴りの風に襲われ、体が横に大きく揺らいだ。片手、いや吸盤一個で壁にしがみつき、精神を一気に吸盤に集中させた。その横を会社帰りの人たちの疲れた笑顔が浮かぶマンモスエレベーターが瞬きの瞬間に通り過ぎる。奴は皮肉な笑顔を浮かべたんだ。
全てを知り尽くした奴は細心の注意をこめて、一歩一歩昇っていった。雨がやみ東の空が白み出した頃、奴の無謀な意味のない挑戦も終わりを迎えようとしていた。後2歩も昇れば頂上だ。久しぶりの青空から昇る朝日を全身に浴びる事が出来るだろう。奴は自分の昇ってきたビルを振り返りつぶやいた。
「ケロケロ。」
その時一陣の風が吹いた。ゆっくりと広がる朝焼けに奴の白い腹が輝いた。人間達が作った小さな世界が朝日に輝いておもちゃのようにくるくるとまわった。不思議な満足感に包まれながら奴は全てに身を任せた。遠くには真っ赤な富士山が見える。
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by biritake | 2004-10-06 22:47  

芝居だ!

なめんなといいました。
土砂降りの雨のなかぐしょぐしょになった靴をはきながら稽古場に向かう途中、照明器具のそろった人工芝の綺麗なサッカーグラウンドで、激しくサッカーをしている若者達を見ました。
グラウンドはぐしょぐしょで、水しぶきをあげるスライディングに彼らの本気を見ました。
時間は夜の8時前。稽古場では役者達が自分の芝居の修正をしてるのだろう、しかし私の足は動来ませんでした。客も誰もいないそのグラウンドに響き渡る、激しい男達の叫ぶ声と、走る足音が私の足を食い止めました。目の前の、グラウンドの脇でアップしている若者たちにとって、でかいかばんをうつろに下げている私は、帰り道に何となくやることもなく立ち寄った、オヤジぐらいに思われたでしょう。
なめんな!
心の中で叫びながらそこを後にしました。
稽古場では役者達が、サッカー青年達よろしく白熱した演技を繰り広げていました。公演も近づき、プレッシャーも増すなか、彼らのもてる力を試しているその姿が、サッカー青年達とダブります。皆本気なんだ。
稽古終わりに、当たり前のように飲みました。
「お通しはなしで。」
当たり前のように言い放つ坂内。自然。あまりにも自然。
飲みながらいつしか芝居の話に。
なめんな、演劇なめんな。
当り散らしながらビールをなめます,お通しなしで。
つきません夜はつきません。芝居以外喜びを知らない悲しい僕達は、かぼちゃの馬車が出るギリギリまで話し尽くします。
なめんな!
今日も熱いだけの私の話に、真剣にうなずく彼らでした。
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by biritake | 2004-10-06 01:46